真新しい半袖のプリントTシャツに袖を通したウチのチビ助が、Tシャツを着た直後から、
チビ助「かゆい~。」
と言い出し背中をかき出しますた。どうも、この服は一度も洗濯していなかったようで、何かしら肌に合わなかったのかもしれませんね。そんな姿を見てふと考え込みますた。赤ちゃんの時には親もある程度
“ベビー服”
の素材にも敏感になると思いますが、幼児になってくると、油断ではないのですが、何となく、
(大きくなってきたから大丈夫だろう。)
と思いがちになるのかもしれません。子供が大きくなるにつれ、生地選びは素材より見栄えを優先しがちですが、ここは少しばかり立ち止まって
“肌に優しい”
といった目線で生地を探してみる事にしますた。
目次
肌に優しい素材(生地)とは?
基準によってどんな生地が肌に優しいのかは変わってくると思います。例えばUVカットの効果がある生地もお肌に優しいと言えば優しいと言えますが幼児が着る服の素材を考えると、UVカットの効果がある化学繊維より天然繊維を選ぶ事になると思います。
それと、この記事を書いていて改めて天然素材の良さが分かってきたのですが、天然素材にも、UVカットの効果が高い生地がある事も分かりますた。
天然素材
天然素材と言いましても、シルク(絹)やコットン(綿)、麻のようにさまざまな種類があります。今回のチビ助の姿を見た機会に天然素材の繊維について少しばかり勉強して、次に作る服の素材選びに活かしたいと思います。今回勉強した天然素材は、
“絹”“綿”“麻”
の3つです。
シルク(絹)
シルクの生地はどうやってできるのか?
私がシルクと聞いて最初に思い浮かべるイメージは“蚕”です。シルクは蚕の繭から作られる事は、知っている方も多いかと思います。日本は蚕のエサになる桑の栽培に適した気候だったのでシルクの生産地も数多くありました。でも、今ではほとんど聞かなくなりました。今、国内で流通しているシルクはほとんど、海外のシルクが流通していると思います。
シルクが出来上がるまでの工程
蚕は糸を吐いて繭を作ります。その繭を取り上げて、生糸を作ります。そして生糸を作る工程は、
①繭を乾燥させます。
②絡み合った糸をほぐす為に繭を煮ます。
③糸同士をくっつけている物質はセリシンという
物質なのですがこのセリシンは水に溶けやすいので完全に溶けてしまわないように温度管理をします。
④そして、これらの行程を経て柔らかくなった繭から糸を
より合わせ生糸を作ります。
⑤出来上がった生糸をを編み上げたものがシルクの生地になります。
シルクの生地の長所
シルクの生地の特徴はは吸湿性、放湿性に優れています。水分を保持し、余分な水分は放出してくれます。そして、繭糸をつけているセリシンという物質には抗酸化作用があります。そのためお肌に接するように身に着けるだけで肌荒れを治してくれるという効果もあります。
シルクの生地の短所
良いところばかりのシルクですが、短所もあります。
①値段が高い。
シルクは作るまでの労力にはかなりの時間を要する為に、どうしても高価な生地になってしまいます。
②シルクは紫外線を吸着してくれるのですが、色が変色しやすい素材なのです。そして、洗濯も出来るだけ手洗いの方が良いので生地のお手入れが難しいです。
シルクの生地は光沢があり、肌さわりも良いのですが、“縫う”作業の場合シルクの生地はどちらかと言えば扱いにくい生地だと思います。ミシンの調節をしっかりとらないとキセ(シワ)が入りやすい生地だと思います。
コットン(絹)
コットンの生地ができるまでの工程
コットンという単語を見ても、ピンッとこない方もおられるかもしれません。
(私がそうですた。)
ですが、“綿”と言われれば、
(ああ。見たことあるある。)
となる・・・・・のかな?
私は海外等の出張で、紳士物の肌着を買う時には
“綿100%”
と書かれている肌着をよく買います。買って着るので肌ざわり等の感触も分かりますが、実際どのような工程で作られているのかは、もひとつピンッ!きませんでした。
綿の生地ができるまでの工程
綿は熱帯・亜熟帯地方の多くの国々で生産されています。綿は花を咲かせた後に実ができて、実の周りに繊維細胞が生まれます。この繊維細胞が成熟し、はじけてコットンボールとになります。
このコットンボールを摘み取り、種と繊維に分け、繊維を※紡績し糸を作り出します。
※紡績とは・・・原料の繊維から糸の状態にするまでの工程。
コットンの長所
①吸湿性に優れ、放湿のときに気化熱で涼しく感じる。
②肌触りが柔らかい。
③保湿性があり温かい。
④強度があり洗濯も簡単。
綿素材が使われているアイテム多種多様にありますがTシャツやカットソーのアイテムによく使われている素材(生地)だと思います。
コットンの短所
逆にコットンの短所は縮みやすいことがある。洗濯するとシワも入りやすいです。アイテムによりますが、ドライクリーニングが必要なアイテムもあるでしょう。着用時等の摩擦で起毛しやすいといった点も知っておいた方がいいかもです。
麻
麻ができるまでの工程
既製服では、麻の種類の1つ、リネンの生地はよく見かけます。縫う時はどちらかと言えば、シャンッとした生地で、扱い易い生地の1つだと思います。私のイメージでは、リネンの生地のアイテムは布帛のアイテムといったイメージがあるので、仕様も布帛仕様のアイテム(本縫い仕様が多い)ではないのかな?
麻は第二次世界大戦の終戦前までは、日本でも盛んに栽培されていました。麻はそれこそ世界中で栽培されているので、麻と呼ばれる繊維は凄く種類が多くあります。一般的に「麻」と表示されるときに用いられるのはリネン、ラミーとなります。よく服等に利用されるのはリネン、ラミー、ヘンプです。これらは、それぞれ違う種別の麻からできている素材です。
リネンは細くて柔らかい素材です。ラミーは太くて硬い素材です。ヘンプはラミー以上に硬く、肌さわりもチクチクします。
麻の長所
麻は共通して、通気性、吸湿性、放湿性があります。そして耐久性にも優れていて洗濯にも強いという素材になります。ただ、リネンにはしわになりやすく、色落ちしやすいという短所もあります。しわを避けたいときは半乾きの状態でアイロンをかけるのも1つの方法だと思います。そして、色落ちのしやすい濃い色のリネン生地場合はしばらく他の洗濯物とは別にして洗濯した方がいいと思います。
肌に優しい素材(生地)まとめ
ウチには3兄弟いますので、子供達の年代に合わせた生地選びになります。一番上のお姉ちゃんには、インナーは綿素材でリネン素材のブラウス、スカート、パンツといったチョイスになるのかな。下の男の子2人は“綿”主体の生地選びになるんでしょうね。シルクは値段や手入れの事を考えると、“子供服”の素材選びには適していないのかもしれませんね。後、この3つの天然素材にはUVカットの効果高い生地もあります。
チビ助の一件で生地の事を調べていると、
(ああ、リネン素材でお姉ちゃん用にワイドパンツを作りたいっ!)
そんな思いも沸いてきますた。布帛仕様のアイテムにもボチボチ挑戦していこうと思っています。
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