服を作る、縫うにあたって必要な物に“糸”があります。糸にも様々な種類があり、既製服では仕様によって使い分けをしています。同じような用途で使う糸でも糸のメーカーによって“名前”も違います。
目次
ミシン糸 糸の選び方
既製服で一番よく使われている糸はスパン糸とレジロンやテトロン、フィットといったフィラメント糸です。カットソーでよく使われている糸はオーバーの糸はスパン糸、ステッチはフィラメント糸です。布帛やボトムはフィラメント糸が使われる事が多いです。素材やアイテムによって様々な糸を選んでいますが、ハンドメイドならスパン糸だけで事が足りるでしょう。ただ、細部までこだわってくると、糸の種類を選ぶ事も楽しくはなります。
糸の種類
スパン糸
カットソー地で、よく使う糸です。こういう表現が合ってるかどうかなんですが、糸の表面は“ささくれ立っている”ような感じです。なので、糸と糸が絡み合い易くてほどき難いと思います。既製服ではカットソーの脇縫い部分等のオーバーミシンで縫っている事が多いです。↓は工業用のキングスパンの糸です。
フィラメント糸
布帛、パンツ、スカート等でよく使います。レジロン、フィット、テトロン等の呼び名で使われています。カットソー地でもステッチ(本縫い)では使う事もあります。表面は光沢があり“ツルツル”した感じです。伸びに強い糸でもあります。↓は工業用のレジロン糸です。
ウーリー糸
これは、特殊な糸で、個人で楽しむハンドメイドではあまり使いません。かなり伸縮性のある糸で、既製服で使われているアイテムは、主にスポーツ系です。下糸をウーリー糸にして使っています。スポーツ系の場合、素材も伸びる素材なので、素材の伸びにもついていく必要があります。
糸には番手があります。主に使う番手は50番か60番手。数字が少なくなればなるほど糸は太くなります。↓は30番手の糸です。
30番手の配色の色でステッチをかけてみると、面白いですよ。
ミシン糸 糸色の選び方
薄い色の布は少し薄目の色を選び、逆に濃い色の布には少し濃いめ糸を選びます。柄の生地の場合は印象的な色に合わせます。
糸見本帳
糸を選ぶ時、何かしら見本になる物があれば便利ですよね。メーカーのブランドの現場や縫製工場には様々な糸色見本帳があります。服を縫う時、特殊な糸もありますが、基本スパン糸とフィラメント糸があれば十分です。糸見本帳があれば糸色を選ぶ時に便利です。ちなみに既製服の糸を選ぶ時は担当の方の好みによる所が大きいです。例えば、このブランドは“ダイヤ”とか“キング”といった感じで長年使っていた糸メーカーから選ぶ事が多いようです。使い慣れた糸は実績よ信頼があるからでしょうね。